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取扱い注意表示を整理してみると [FQM]

ここ数日の間、集中してアパ産協さんの取扱い注意表示を整理していました

ファッションのメンテナンス(クリーニング) には、その素材の持つ特性や染色のことなど多くの知識を必要とします。
繊維の性能表や個別の繊維ごとの特性などは、繊維便覧や化研さんのHPなどで知ることはできますが、実際の衣類は様々な副資材が用いられ、縫製されています。

そんな衣類の全てを見ただけで判るような神様みたいな能力があれば良いのですが、常人では無理なので取扱い注意表示を読みながら考える必要があります。
しかし限られたスペースに書き込むことから、かなり簡単な表現になることも仕方ないこと
馬鹿でかい布切れが内側についている服なんか着たくないですもんね

そこで品質表示にある素材表示と限られたスペースの取扱い注意表示の表現から、ある程度の情報を探せるようになればと思って 「アパ産協さんの取扱い注意表示」を再構築したいと思っています

「アパ産協さんの取扱い注意表示」の文言を読んでいますと、繊維製品(衣料品)には様々な性質があり、長所と欠点が混在していることが良く判ります。まるで人間と一緒ですね[わーい(嬉しい顔)]

考え方によっては、ある人にとっての欠点が他の人には長所ということもありますし
身体の保護のための衣類もあれば、見栄えを良くするための衣類もあり
人に好感を持たれるための服装もあれば、威圧するための服装も

様々なステージを様々な服装で飾るのも良いのではないでしょうか

実用の衣類からオシャレな衣類まである中で
大切な時を過ごすときには、それなりにオシャレに気を使った服装をしたいものです
オシャレは自分自身のためでもあり、対する相手への敬意でもありますからね


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ジャケットの下になぜ長袖の綿シャツが必要か? [FQM]

織商さんの会話の中で透湿素材の話題が出ましてそれから考えていました

ジャケットの下に長袖のシャツをなぜ着るのかを考えていたらこんな時間に ・・・[ふらふら]
人の皮膚からは汗が絶え間なく発散されていますし、皮脂も表面を覆っています
これらがジャケットにどのような影響を与えるかと考えてみました

皮膚がシャツを介してジャケットに接触する部分と皮膚が直接ジャケットに接触する部分はどのように違うのでしょう?
ちょっと図にしてみましょう

  適用.jpg   
上着、シャツ、汗、皮脂、皮膚のそれぞれを上図のように表現してみます

まずは皮膚がシャツを 介してジャケットと接触する場合
 
  綿シャツ着用時.jpg
シャツが水分を吸収し、併せて皮脂もシャツに吸着しますのでジャケットにはあんまり付着しませんね

では、皮膚とジャケットが直接に触れる場合はどうなるかというと

  綿シャツ未着用時.jpg

水分や皮脂などがほとんどジャケットに移ってしまいます[がく~(落胆した顔)]

綿や麻、ウールやシルク、テンセルやレーヨンなどの吸水性の高い繊維は影響大です
疎水性のポリエステルならそれほど問題がないでしょうが、これでは染料も相当にダメージを受けますね

 

おしゃれは格好だけでなく、上着の状態を如何に良好に保つかにも役立っています
しかしシャツが抱え込める水分や皮脂の量にも限界がありますので、高温多湿の日本では夏場に長袖のシャツを着て上着を着用するのはちょっと無理かな[ふらふら]
半袖のシャツを着てジャケットを羽織ったり、暑いのを我慢して長袖シャツの上からジャケットを羽織るのなら、汗による悪影響は避けられないものとして覚悟してください。

年に数回出すクリーニングでは回復不能なまでに繊維や染料が劣化するかも
また、ドライクリーニングを頻繁に繰り返しても汗や皮脂汚れは残留しますので、出さないよりはまだ良いかもしれませんが期待しすぎないように
毎日の着用後の汗取りが一番ですよ
汗や皮脂が付きそうな袖口や衿、脇などを内側から蒸しタオルを当てて汗や皮脂を少しずつ取り除いてから陰干ししておきましょう

そして、シーズン中に出来れば数回、無理でもシーズン終了時にはちゃんと考えてお手入れしてくれるクリーニング店に依頼するのが良いかと思います。

 


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紳士服の美しさは、男の敬意を表すため ・・・ [FQM]

今日のタイトルはスーパージャンプ№16の王様の仕立て屋の始めの頁の一言です

今日は京都織商さんの品質管理委員会でして、会場に入る前にいつも寄るショップで寄り道してきました
とってもオシャレな販売員さんが居るので、機会があれば寄って色々と教えてもらっています[わーい(嬉しい顔)]

ちょっとシャツの話をしていて、気がついたのがお店の方のシャツのプレス
あまりにもキレイにアイロンが当ててあるので聞いてみると「自分でアイロン掛けています」 とのこと
一応、クリーニングに関係した仕事をしている立場からは耳が痛い一言でした

ショップは元々シャツのメーカーですから、お店の方もシャツのことは良く判ってありますし、プレスの経験も豊富なようです。
「人一倍 アイロン当ててますから」 の一言をいただきました

しかし、首のラインと襟元がとってもきれいに仕上がっています
シャツの衿台と衿の構造をしっかりと理解していないとここまではきれいに仕上がりませんね
どんなものかは下の画像で確認してください

Image007_01.jpg  Image002.jpg Image008_01.jpg

 シワ加工のジャケットの下にきれいにプレスされたシャツってオシャレですよね[わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]

シャツは本来下着ですが、見せる部分はやはりちゃんとして欲しいもの
衿のライン、袖口のカフスとタック、前立ては特に大切な部分ですね
イタリアのシャツは特に脇繰りも形が違うので注意して欲しいものですが ・・・

洗えることと整形できることは別の問題
洗えてもプレスが悪かったら、せっかくのオシャレも台無しです

クリーニング屋さんも低料金で機械仕上げというだけでなく、きちんと整形できるプレス技術を身に付けて欲しいですね
それなりの料金が掛かることは本当にオシャレなお客様も理解してくれると思うのですが
でないと、クリーニングに出さずに自分で洗って仕上げる方が増えると思いますよ
クリーニング店で機械でプレスしたシャツは手直しするのが大変です[ふらふら]
かなりの高温と高圧で押さえていますからね

クリーニング店さんも、安い料金のメリット・デメリットをしっかりと伝えると同時に
高い料金をもらうなら、機械プレスの後で手直しするのではなく
最初からそのシャツの構造に合わせた仕上げをすべきでしょう

その前に、良いシャツやスーツを自分自身で着こなして
オシャレが判るようになる必要はありますけどね
オシャレを理解しないでオシャレな仕上げなんて出来ませんから


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洗えるということと洗うということ [FQM]

クリーニングとは洗うことからと思いがちですが、洗い方によっては後の仕上げにとてつもない時間を要することも
だから後の工程を考えてから処理方法を考える必要があります

スーツなどはスタイルに合わせて、様々な工夫が凝らされています
生地は縦の目と横の目が整然とならんだ状態が本来の形
それを微妙に狂わせて立体感が生まれるように変形したり、縫製したり、様々な補助のパーツを使ったり

上着もスラックスやスカートも、その構造や縫製テクニックまで理解しておかないと本来の形に戻すプレスは出来ないかも
整形と言う意味を深く考える必要がありますね

洗わずに手入れすることの大切さや
プレスの難しさをクリーニングを受け取りに行って思いました。


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ファッション記者は見たより [FQM]

『ファッション記者は見た 7/2』に主要衣料品専門店の6月度既存店売上高伸び率が ・・・

売上はほとんど下降線[がく~(落胆した顔)] ユニクロさんだけが[グッド(上向き矢印)]ですね
内閣府発表の6月度消費動向調査でも1982年の調査開始以来、過去最低[ふらふら]
特に、「暮らし向き」と「耐久消費財の買い時判断」の2項目については過去最低の水準だそうです[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]

衣服を購入した方が減ったからクリーニング需要が減るかと言うとどうでしょうか?
新しい服を買わなくても、毎日着る服は必要です
当分の間は、次から次に服を買えるような景気の良い時代は来ないのでは
そうなると、手持ちの服を上手に繰り返し着用することが当たり前になるでしょう。
地球温暖化問題も言われていますが、無駄な資源を浪費するよりは将来のためにも良い事かも

ここでファッション・クオリティ・メンテナンス(FQM)の出番でしょう[わーい(嬉しい顔)]
限りある服飾資源を適切にメンテナンスすることで、その価値を長く継続させることが可能となります
これからのクリーニングは家事代行の部分とFQMとの差が大きくなると思われます
中途半端は淘汰かな?

ファッションのメンテナンス(衣類の病院)と家事代行(お風呂) の違いを考えてみませんか
お風呂も入れば汚れが落ちるかと言うとそうでもないし ・・・
家庭洗濯でも、洗剤と洗濯機任せで汚れが全て落ちるかと言うと落ちません

お風呂でもそれなりの工夫は必要ですが
衣類の病院となると様々な分野の知識が必要
学び、実行し、それを検証して、よりよい状態に変えて行く(P→D→C→A)ことがここでも求められてます


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